かまがや取材日記 令和6年度子ども議会 令和7年1月28日
更新日:2025年2月5日
中学生10人が質問
議場の中学生議員たち
令和6年度子ども議会が1月28日、鎌ケ谷市役所議場で開かれました。子ども議会は自分の街を知り、市政に関心を持ってもらうため毎年1回、小学生、中学生が交互に議員を務めて開催されています。41回目の今年は中学生の番で、市内5中学校からそれぞれ2人の計10人の議員が質問に立ちました。質問と市執行部の回答の要旨を紹介します。
平良希彩議員(鎌中)「令和6年は1月に能登半島地震が起き、8月には南海トラフ地震臨時情報が発表されました。南海トラフ地震が起きれば千葉県も大きな被害が予想されます。市ホームページにはハザードマップ、避難所一覧、応急救護活動など市の様々な災害対策が載っていますが、これから予定している対策があれば教えてください」
市「大災害時には行政も被災するため、公的支援には限界があります。そこで、自分で自分の身を守る『自助』、地域住民で協力する『共助』、行政による『公助』の連携が重要となります。市はそれぞれが防災対応力を高められるよう、市職員の研修を強化するとともに、情報や知識の周知を地道に行い、市民一人ひとりの防災意識を高めてまいります」
鈴木柚奈議員(二中)「二中では、回収したペットボトルのキャップをワクチンに換えて必要とする国に寄付するボランティア活動を行っています。松戸市や市川市では、中学生が夏祭りなどの行事でボランティア活動を行っているようです。鎌ケ谷市でも市民まつりなどのイベントで中学生がボランティアとして参加できるよう検討していただきたいです」
市「鎌ケ谷市社会福祉協議会のボランティアセンターでは福祉にかかわるボランティアの講座や体験会などを実施し、多くの学生が参加していますが、中学生のみの参加は各事業主体に確認が必要です。市では市民まつりなどで中学生ボランティアを活用できるか他市の事例をふまえて調査研究してまいります」
北原優菜議員(三中)「市と姉妹都市のニュージーランド・ワカタネは、学生の相互訪問や地震の際の募金などの交流を行ってきたことを知りました。コロナ禍で中断された訪問も令和6年9月に再開し、ワカタネの高校生が市内を訪れ市民らと交流しました。令和9年は姉妹都市となって30周年となりますが、どのような取り組みを予定していますか」
市「市は国際交流活動の進展を目指し平成9年にワカタネと姉妹都市提携を結びました。以来、市長や市民の訪問、学生交流などで親睦を深めてきました。令和8年は中学生のワカタネ訪問を予定しています。令和9年の30周年の行事についてはまだ決まっていませんが、より交流が深まるものにしたいので、提案をいただければと思います」
長谷川寧議員(四中)「学校の給食では市の梨を使った『ありのみ蒸しパン』や『梨ゼリー』が出て美味しくいただいています。市の梨は江戸後期から栽培されている特産品ですので、他市の人にもっと知ってもらいたいと思います。お隣の白井市では梨の輸出に取り組んでいるようですが、市の梨を知ってもらうためどのような取り組みを考えていますか」
市「市は農業団体と協働で平成27年度から梨のインターネット販売に取り組み、北海道から沖縄まで多くの方に市の梨を届けています。令和6年9月には初の試みとして、都内のタワーマンションで試食販売を行ったところ好評で今年も実施する予定です。今後は『梨サミット』や『梨フェスタ』など梨をコンセプトにしたイベントを検討してまいります」
前田悠斗議員(五中)「家族の介護や世話を過度に行っているヤングケアラーは、こども家庭庁によると中学生の17人に1人が当てはまり、家庭内の問題のため実態が表に出にくいとされています。市のホームページでは、実態や相談方法などを見つけることはできませんでした。市のヤングケアラーへの支援や施策、検討していることを教えてください」
市「市は令和6年2月に中学生対象にヤングケアラーに関するアンケート調査を実施しました。その結果、15人に1人が家庭でのケアに伴う身体的負担が厳しい状況にあることが判明しました。市に特化した窓口はありませんが、こども総合相談室などが必要な支援を行い、令和6年度中に策定する『こども計画』に支援策を盛り込む予定です」
島津真優議員(鎌中)「環境省によると令和2年度の家庭ごみは1人1日あたり1キログラムで、このままのペースではごみを埋める場所がなくなるそうです。ごみ削減に意識を変えなければいけません。いろいろな自治体が対策を行っており、市もホームページでごみの分別方法や出し方などを細かく載せていますが、今後予定されている対策はありますか」
市「市の家庭ごみ排出量は減少傾向にありますが、更なる削減と資源化(リサイクル)に取り組んでいます。市民1人ひとりの適正排出やリサイクル意識が欠かせませんので、職員によるごみ分別出前講座やリサイクルフェアなどを実施し、リユース事業を行う民間企業と連携協定を結びました。今後は全国の優良事例を参考に取り組みを検討します」
金邉瑠奈議員(二中)「授業でSDGsを学んだのをきっかけに、市が視覚障がいを持った人にとって暮らしやすい街なのか興味を持ちました。市内には横断歩道の音付き信号機(音響信号機)は14台ありますが、令和5年度以降は設置されていません。二中入口交差点など危険と思われる箇所に安全に渡れる音付き信号機の導入を検討していただきたいです」
市「二中入口交差点については交通事故多発箇所として現地診断を実施した後、カラー舗装の設置、区画線の塗り直し、注意喚起の看板設置などを行いました。音付き信号機について警察に確認したところ、現時点で設置の予定はないとのことでした。市は障がいのある方を含め誰もが安心して暮らせるユニバーサル社会を目指した街づくりを進めていきます」
梅宮英奈議員(三中)「市には明るい選挙推進協議会があり、ルール違反がなく自由な意思で投票できるよう活動していることを知りました。報道によると、最近は選挙に妨害目的で参加したり、演説で暴言を吐いたりする人がいるようです。そのような立候補者が出た場合の対策を教えてください。また、市の選挙制度を改正する予定はありますか」
市「令和6年の都知事選などでは選挙制度の在り方が問われるような事案が発生しました。明るい選挙推進協議会は、会員が投票を促すチラシを配ったり投票立会人を務めたりしています。選挙妨害のような行為は警察が取り締まっており、市の選挙管理委員会は警察と情報共有を図っています。選挙制度は国の法律に基づくものですので改正はできません」
本田アイシャ議員(四中)「温暖化が進み異常気象が続いています。令和6年の夏はインドなどで50度を超え日本も高温でした。市は令和5年にゼロカーボンシティ宣言を表明しましたが、実現のため市で取り組んでいることは何ですか。温室効果ガス削減に寄与する太陽光発電システムの住宅への普及を図っていますが、設置目標を設定していますか」
市「市は公共施設のLED化を進めています。また、令和5年度に民間事業者が公共施設屋上に設置した太陽光発電システムからの電力を活用するPPA方式を導入したほか、26公共施設では風力発電由来の電力を購入することなどで温室効果ガス削減に取り組んでいます。太陽光発電システムなどの補助事業の具体的な目標は設定していません」
渡辺響己議員(五中)「市内では令和6年度から中学の休日部活動を地域へ移行する取り組みが始まりました。五中でも私が所属するギター部は部活動指導員から専門的な指導を受け、充実した部活動ができています。学校以外でも合同練習ができたり道具を保管できたりする場所を確保し、活動を取りまとめる団体をつくることはできないでしょうか」
市「部活動地域移行の将来的な方向性については、学校の先生やスポーツ・文化関係団体の代表者などで構成する『鎌ケ谷市部活動地域移行協議会』で話し合っており、活動場所や団体も検討内容に含まれています。できるだけ場所を確保し、極力多くの団体に協力いただけるように努め、市のスポーツ、文化活動が活力を失わないようにしていきます」
質問する平良議員(左)と後藤議長(右)
質問を聞く芝田市長(左)ら執行部
問い合わせ
総務企画部 企画財政課 企画政策室
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ファクス:047-445-1400
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