ありのみ便り 令和6年12月15日号
更新日:2025年1月8日
救急車の適正利用
鎌ケ谷市役所前の道は、サイレンを鳴らした救急車がよく通ります。近くにある救急指定病院に傷病者を搬送する救急車です。
今、高齢化の進行、新型コロナウイルス感染症の流行などにより救急車の出動件数が急増しています。令和5年中の全国の出動件数は前年比5.6%増の約764万件でした。鎌ケ谷市も状況は同じで、令和5年中の出動件数は7,096件と初めて7,000件を超えました。5年前と比べると1,315件も増えています。
これに対応するため市では令和7年から救急車を1台増やします。現在、市消防本部(3消防署)で「4台プラス予備車1台」の体制を「5台プラス予備車1台」に拡充します。
高齢化や感染症流行などの現状から出動件数増加は自然の流れで、今後も続くと思われます。ただ、急激な増加に伴い、救急車の現場到着時間が長くなるという問題も顕在化しています。市の救急車の令和5年平均の現場到着時間は9分38秒で、病院収容までの時間は49分29秒でした。5年前より現場到着で2分14秒、病院到着で11分23秒伸びています。到着、収容時間の伸びは、一刻を争う傷病者の命を救えなくなる危険性をはらんでいます。
このため、市消防本部では「救急車の適正利用」を呼びかけています。適正利用とは、緊急性のない場合の救急車利用を控えてほしいということです。実は、搬送された人の4割強は入院の必要のない軽症で、中には「入院予定日なので」「検査する日なので」などの理由で119番する人もいるそうです。
適正利用を促し救急医療体制ひっ迫を緩和するため、三重県松阪市や茨城県のように救急搬送された軽症の傷病者から病院の判断で保険適用外の「選定療養費」を徴収する取り組みを始めた自治体もあります。救急搬送増加は病院側にも大きな負担となっています。
でも適正利用と言われても119番していいのかどうか迷うこともあるでしょう。そんな時は「#7119」に電話すると看護師が相談に応じ、必要なら医師に転送してくれます。千葉県の場合、平日・土曜日は午後6時から翌朝8時まで、日曜日・祝日・年末年始・ゴールデンウィークは午前9時から翌朝8時まで受け付けています。子どもは「#8000」で毎日午後7時から翌午前8時までです。
緊急性があると思ったら「119」、迷ったら「#7119」と覚えておけばいいと思います。
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